加齢・ストレス環境(平常心で活動できていない)は記憶操作を邪魔します。特に加齢による「度忘れ(良性健忘)」は、どなたでもあります。
度忘れは新規に覚える事は困難ですが、自覚・見当識(自分の置かれている環境・状況の判断認知)は十分に有り、日常生活には支障は無く多くは話内容の部分的健忘(話の詳細・一部分が思い出せないが、ヒントが役立ったり人から聞いて思い出したり納得できた等)です。さほどの進行は無く古い記憶(知識・技能・生活の知恵を含めて)を無くする事は有りません。
以上と反対の内容を持つ物忘れを「病的健忘状況」と考えます。
正常に発育した知能が後天的・器質的障害により持続的に機能低下をきたし、日常生活(社会活動・職業活動含めて)に支障がきたしている病態です。「病的健忘状況」は最も有りがちな機能低下です。
なお発達に支障が有り正常に発育していない病態を「精神発育遅滞(知的障害)」と呼びます。
明らかに病的な健忘であるものの日常生活に支障が無い認知症の前段階を「軽度認知障害(MCI)」と呼びます。
認知症様状況(多くの場合には治療可能)
代表的な認知症疾患
(1)認知症症状(病的健忘)は病気の本質です
できない事(覚えれない・忘れる事)に固執させないでください。
(2)自分自身を守る本能・外部者への体裁は残っており、それに起因した言動があります。
また家族・近親者間での感情的なしこり・こだわりは長く残りやすいようです。
以上の点を踏まえて感情的にならずに柔軟な対応を心掛けてください。