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山口県,防府市,脳神経外科,認知症,アルツハイマー,パーキンソン病

クリニックコラム

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山口県,防府市,脳神経外科,認知症,アルツハイマー,パーキンソン病

くも膜下出血(当クリニックではCT/MR検査を勧めます)。

(1)
脳血管の破裂で、「くも膜」と「脳」との間の空間(くも膜下腔)に血液が流れ出す(血腫)病態。
(2)
原因の8割は脳動脈瘤の破裂。
(3)
症状は突然の激しい頭痛で嘔吐・意識障害を出血状況(程度・部位)に応じて伴う。
(4)
50%は致死的(死亡・重度後遺)で社会復帰は30%。
(5)
画像診断(CT/MR/脳血管撮影)・現状評価(全身状態 等)をして治療方針(開頭手術・血管内手術・経過観察)を決定する。
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頭蓋内動脈解離(当クリニックではMR検査を勧めます)。

(1)
脳卒中発症(出血・虚血)がほとんどだが、7%は頭痛のみの発症との報告も有る。
(2)
部位は椎骨脳底動脈系、特に椎骨動脈に多い。
(3)
解離(血管壁構造中の内弾性板の断裂より開始)原因として頸部進展動作の繰り返しも想像される。
(4)
頭痛特徴は解離と同側の限局的な後頸部痛(基本的には持続性・部位や性状の変動が有り)である事が多い。
(5)
頭痛発症で解離後のくも膜下出血発症の多くは2週間以内(特に3日以内)であり、この間は保存的治療(血圧管理・安静)に留意する。
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片頭痛(当クリニックではCT/MR検査を勧めます)。

(1)
持続性・嘔気併発・多くは拍動性で動くとひどくなる頭痛で、ストレス等の誘因で頭蓋内外の血管で拡張や炎症が起こると考えられる。
(2)
入浴等での保温(加温)や環境・外部刺激(肩もみ・音や光やにおい 等)は増悪させる(いわゆる音・光過敏)。
(3)
前兆(頭痛発生1時間程度前から視野内に光源体出現・閃輝暗点と呼称・多くは30分以内に消失、その後頭痛発症)や予兆(数時間前からあくび・空腹感・頸肩部の凝り)をきたす事が有る。
(4)
女性に多く、女性ホルモン変動(特に卵胞ホルモンのエストロゲン減少)は誘発因子で月経前後(月経関連片頭痛と呼称)・出産後には顕著、妊娠中(中期・後期、逆にエストロゲン高値安定)は軽減する。
(5)
頭痛時(1時間以上持続すれば)には早めに効果的に頭痛薬を使用する(適剤選択し反復投与可・制吐剤併用可・日数が多ければ薬物乱用頭痛回避の点からも予防薬を相談する)。
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群発頭痛(当クリニックではCT/MR検査を勧めます)。

(1)
ある一定期間ほぼ毎日定刻に起こる片側眼窩部の激しい頭痛(主に睡眠中に・1日1回~数回・~2時間持続・群発地震のように発生)。
(2)
頭痛と同側の流涙・鼻つまり~鼻水・目の充血・目蓋の垂れ下がりや腫れを伴う。
(3)
1~2か月間毎日持続(群発期)して、その後半年~数年間(2.3年)消失(寛解期)する。
(4)
20~30歳代の男性に多い(男女比は3.5:1程度)。
(5)
群発期を楽に過ごすために積極的に治療(予防治療等)を行う。まずは治療相談を。
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緊張型頭痛

(1)
精神的ストレス・身体的ストレス(肩凝り・眼疲労・不眠等)が原因で起こる鈍痛、「ストレス頭痛」と呼称される。
(2)
通常は両側性で性状は絞扼~圧迫性(非拍動性)、間欠で数分~数日持続。
(3)
日常動作でひどくはならない。
(4)
軽度嘔気・音・光過敏はあってもいずれかのみ。
(5)
3か月以上にわたって平均して1か月に15日未満を反復性・15日以上を慢性型と呼ぶ。

頚原性頭痛

(1)
以前は頸性頭痛と名称されていた。
(2)
頸部から生じる痛みが頭部や顔面に放散する。
(3)
頭痛の原因として頸椎 ~ 頸部軟部組織内の疾患・病変を検査上で同定できる。
(4)
頸部疾患または病変による痛みの証拠がある。
(5)
原因病変・疾患治療後に3か月以内に頭痛が消失する。

睡眠時無呼吸症候群

(1)
睡眠中に1時間に5回以上・10秒間以上の呼吸停止(無呼吸)~低換気をきたす呼吸障害。
(2)
閉塞型(呼吸努力有り)・中枢型(呼吸努力無し)・混合型の3型。
(3)
閉塞型は肥満・相対的な小さい顎・上半身や首の太さ・扁桃肥大・飲酒・睡眠薬服用が関与する。
(4)
夜間の低酸素血症により起床時の頭痛・疲労感・熟眠感欠如、日中の強い眠気、高血圧症(夜間 → 重症例は日中も)、下肢浮腫(右心不全併発)をきたす。
(5)
精密検査にはポリソムノグラフィー(脳波・酸素飽和度・呼吸運動・筋電図・眼球運動・胸郭および腹部運動の感知・監視)を施行する(1泊入院)。

慢性硬膜下血腫

(1)
外傷後1~3か月後に発症する。なお意識されない軽微な例も多い。
(2)
硬膜(頭蓋骨内面側)と、くも膜(脳表)との間の硬膜下腔に貯留する。
(3)
中年以降の男性飲酒家に多いが、最近は若年者(スノーボード愛好者等)にも見られる。
(4)
認知症状態・頭痛・片麻痺発症で脳卒中様(急性)経過も多い。
(5)
「治療できる認知症」で有り、穿頭術で血腫を除去する。

三叉神経痛

(1)
痛み発作は10~60秒程度で間欠時には無痛である。
(2)
触刺激等によるトリガーポイントが存在する。原則として知覚障害は無い。
(3)
片側顔面で頬部以下の下部顔面(三叉神経第II・第III枝領域)に多い。
(4)
病因としては三叉神経根(頭蓋内)の血管圧迫(動脈・静脈)による事が多い。このため動脈硬化好発年齢の50歳以上に多い。
(5)
薬物治療(リリカ等)・神経血管減圧手術・定位放射線手術等が有る。

後頭神経痛

(1)
後頭部~頭頂部・耳介後部にかけて生じる発作性・放散性の痛み。
(2)
頭皮表面の刺激で誘発(くし使用等、罹患神経の圧痛)
(3)
大後頭神経・小後頭神経・第3後頭神経(大耳介神経)の末梢性神経障害性疼痛である。頸筋の関連痛とは区別する。
(4)
時に罹患領域の感覚鈍麻・異常知覚を伴う。
(5)
帯状疱疹も一因として多いので疱疹発生に留意する。

帯状疱疹

(1)
水痘初感染治癒後に神経節の潜伏感染した水痘・帯状疱疹ウィルスの加齢等の免疫力低下による再活性化病態である。
(2)
頭部関連神経節としては顔面神経(外耳部)・三叉神経(顔面部)・頚神経(後頭部)関連がある。
(3)
全帯状疱疹の10~15%は三叉神経領域で、この内80%は三叉神経第一枝領域(眼神経領域)である。
(4)
痛み先行(前駆痛・侵害受容性疼痛)で7日未満内に神経支配領域の疱疹(ヘルペス疹)を認める(認めなければあくまで疑いとする)。
(5)
一般には前駆痛 → 急性帯状疱疹痛(皮疹随伴時・~3か月以内・侵害受容性 > 神経障害性疼痛) → 帯状疱疹後神経痛(皮疹消褪後・3か月以降・神経障害性疼痛で60歳以上は50%頻度・疼痛部位には通常異痛症や痛覚過敏や感覚鈍麻が存在)の経過となる。

薬物乱用頭痛(MOH)(同義語:薬物誘発・薬物誤用・反跳性頭痛)

(1)
頭痛薬(頭痛頓挫薬・急性期治療薬)を4か月以上(3か月を超えて)乱用している(一般には単一の鎮痛薬や急性期治療薬の組み合わせの場合で15日以上、それ以外は10日以上の使用頻度を乱用と呼ぶ)。なお乱用状況は頻繁・定期的に行われている場合がなりやすい。つまりまとめて連日より毎週毎の方が引き起こしやすい。
(2)
体内の痛みを調整する仕組みが頭痛薬の飲み過ぎで機能不全に陥り、頭痛薬の無効化や頭痛増悪・新規頭痛発症をきたす病態である。
(3)
頭痛頻度は1か月に15日以上で、乱用により新規発生ないしはもともとの頭痛の増悪や頭痛の変質(片頭痛様・緊張型様の混在や日間パターン変化)をきたす。
(4)
乱用期間中は予防薬は無効である。
(5)
乱用薬物の使用中止後2か月以内に頭痛が消失~もともとのパターンに戻る。

良性発作性頭位めまい(BPPV)

(1)
頭位変換で誘発される眼振を伴った一番多い耳性めまい。
(2)
三半規管内を浮遊する耳石(半規管結石症)やクプラに付着した耳石(クプラ結石症)により内リンパ流動・クプラ偏位を起こし発生する。
(3)
蝸牛症状(耳鳴・耳閉・聴力障害)や中枢神経症状(痺れ・脱力等)は無い。
(4)
通常めまいは頭位変換時に~20秒以内に消失・反復で減衰、多くの場合1週間以内に自然軽快する。
(5)
頭部外傷・長期臥床・耳性疾患(メニエール病・中耳炎 等)が原因として有るが不明な場合も多い。

前庭神経炎

(1)
一側の前庭神経に限局した炎症病態で原則再発(反復)は無い。
(2)
突発性の強い回転性めまい(蝸牛症状・他の脳神経症状無し)で持続性である(1週間程度はめまい顕著で歩行困難である)。
(3)
眼振は当初から持続性の麻痺性眼振(健側方向性)を認める。
(4)
上気道炎の先行感染を認める事が多く、原因としては不顕性感染後のウィルスの再活性化病態が考えられている(起因ウィルスとしては単純ヘルペスI型の他にムンプス・インフルエンザ・帯状疱疹・風疹ウィルスの可能性もある)。
(5)
急性期ステロイド治療が第一選択治療である(抗ウィルス薬の効果は確定していない)。

突発性難聴

(1)
突発性の高度な難聴(一側 > 両側)で原因が不明な病態群、原則再発は無い。
(2)
オージオグラム(聴力検査)では高音急墜・高音漸傾・水平型等、各種パターンがある。聴力の変動(改善・悪化の繰り返し)は無し。
(3)
他の原因を特定した場合や、急性低音障害型感音難聴(低音域が70dBデシベル以下の軽度障害)は除外する。
(4)
耳鳴・めまい(反復無し)・嘔気を随伴する事がある。
(5)
急性期ステロイド治療が第一選択である。

ワレンベルグ症候群(延髄外側症候群)

(1)
後下小脳動脈(PICA)分岐近傍の椎骨動脈(VA)の狭窄 ~ 閉塞病変による梗塞病態、最近はVA解離同定が多い。
(2)
症状としては突発する回転性めまい・嘔気嘔吐・嚥下障害・同側小脳失調・同側ホルネル症候群(縮瞳・上眼瞼下垂・結膜充血)・同側四肢体幹部の深部知覚障害(鈍麻)・同側顔面および反対側四肢体幹部の温・痛覚障害(鈍麻)を認める。
(3)
高血圧症の50歳代男性に多い。
(4)
健康若年者でも過重運動後の一過性の本症候の発症が有る。「良性延髄外側症候群」といい、原因としては先天的PICA欠損例での脱水・血球増多による一過性虚血発症病態と考えられる。
(5)
頸部マッサージにより発症する事もある。

アダムズ・ストークス症候群(Adams-Stokes症候群)

(1)
不整脈(徐脈・頻脈・房室ブロック・洞不全症候群)による失神・めまい(pre-syncope)をきたす病態。
(2)
確定診断は発作時の心電図記録(ホルター心電図)が有用である。
(3)
一般には40拍/分以下の徐脈は、持続すると高齢者では特に心不全症状(易疲労感・全身倦怠・呼吸困難等)や精神活動の低下(認知症様)をきたす事が有るので留意する。
(4)
4、5秒以上の心静止はしばしば失神をきたす。10秒以上の心静止は突然死が有りうる。
(5)
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運動器不安定症

(1)
運動器障害のうちで歩行・移動能力の低下した状態を呼ぶ。
2006年4月に整形・リハビリ関連の3学会から提案された日本独自の概念である。
(2)
具体的には下肢の筋力低下や立位バランスの低下した状態。
(3)
類語には運動器症候群(ロコモティブシンドローム・略語ロコモ)がある。両者の違いはロコモの場合、歩行・移動に限らず運動器の障害により要介護となる危険の高い状態を呼ぶ。2007年9月日本整形外科学会から提唱された。
(4)
運動機能検査には以下がある。
1)開眼片脚起立時間(15秒未満異常)
2)3m Timed up and go test(3m TUG)
椅子座位から起立し3m先の目印点を折り返して再度椅子座位へ戻る。
この間の時間計測を行う。20秒以上は不安定歩行と判断する。
(5)
治療は
1)原因疾患治療
2)運動器リハビリテーションがある。
2)についてはダイナミックフラミンゴ療法(DF療法)が有用である(DF療法:片脚起立1分間×両脚で各1日3回)。

動静脈瘻

(1)
動脈と静脈が短絡した病変。
(2)
動静脈奇形のような異常血管構造(nidusナイダス)は持たない。
(3)
脊髄病変(脊髄表面・神経根近傍硬膜・頸部外傷後の横突起孔部での交通:脊髄動静脈瘻)や頭蓋硬膜病変(硬膜または硬膜から構成される組織-大脳鎌・小脳テント・静脈洞壁―に発生した動静脈短絡:硬膜動静脈瘻)がある。
(4)
症状は一般的に充血・虚血・出血(くも膜下血腫・脳内出血)の関連で発生する。
(5)
治療は瘻孔部(短絡)の遮断(閉鎖・縮小)を目的として血管内手術(塞栓)・外科切除・定位式放射線治療を施行する。

顔面痙攣

(1)
突発または徐々に発症する通常一側性の顔面部の痙攣で、発症部位は多くは眼の周囲(眼輪筋:典型例と呼ぶ)から、少数例は口の周囲・頬部(口輪筋・頬筋:非典型例)からである。
(2)
左側痙攣・中年以降の女性に多い。
(3)
疲労・ストレス・自意識・心配不安で増強し、睡眠中も持続、不随意(任意抑制不可)、自然寛解は無く、長期化すると軽度の顔面神経麻痺を併発する。
(4)
原因としては頭蓋内顔面神経(通常は脳幹から0.5~1㎝部の出口帯(進入帯)、ただし前下小脳動脈の場合は神経末梢部や腫瘍病変の場合は神経全体的な場合や圧迫部不明の場合も有り)への圧迫病変(一般には前下小脳動脈や後下小脳動脈の正常動脈~動脈硬化血管や静脈病変・若年者は肥厚したくも膜、他の症候性としては脳腫瘍・脳動脈瘤・脳動静脈奇形等)がある。
(5)
治療は薬物療法(筋弛緩剤・抗てんかん剤・抗精神薬の内服)・ボツリヌス療法(ボツリヌス菌の菌体外毒素A型製剤のボトックスの筋肉内注射・作用機序は主に神経筋接合部での運動神経終末からのアセチルコリンの放出抑制)・外科手術(神経血管減圧手術・腫瘍等病変処置)がある。

ミオクローヌス

(1)
不随意運動症の一種である(不随意運動とは意図せずに出現し、また意図しても止める事のできない運動を呼ぶ)。
(2)
突然起こる共同筋群の収縮により、体の一部が瞬間的に動く持続性の無い運動。
(3)
中枢神経系(脳・脊髄)の各部(大脳皮質・大脳基底核・視床・小脳・脳幹・脊髄前角部)の障害で起こる。
(4)
疾患としてはSSPE(亜急性硬化性全脳炎)・CJD(クロイツフェルトーヤコブ病)・低酸素脳症患者で観察される。
(5)
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多発性硬化症(MS)

(1)
中枢神経(脳脊髄)や末梢神経(視神経)に自己免疫機序で発症する髄鞘の破壊(脱髄)病変を特徴とする疾患。
(2)
2つ以上の病巣由来の症状が有る(空間的多発性)、かつ症状の寛解や再発が有る(時間的多発性)。
(3)
日本人では3~4人/10万人の発生頻度で20~40歳の女性に多く、当初は再発寛解型経過で始まり40歳以上で1年以上の持続的な進行を呈する慢性進行型の経過へ移行する(これを二次性と呼ぶのに対して当初からの慢性進行型を一次性と呼ぶ)。
(4)
症状は多様だが両側性の三叉神経痛・内側縦束症候群(水平注視での患側眼内転障害・健側眼の注視方向性粗大眼振を特徴とする複視)、四肢(特に下肢)の有痛性強直性痙攣発作・レルミッテ徴候(頸部前屈誘発の後頸部~下肢への放散性電撃性疼痛)・体温上昇(入浴等)での一過性の症状増悪が特徴的。
(5)
治療は再発寛解型の急性増悪期にステロイド大量投与(メチルプレドニゾロン1g/日×3日:ステロイドパルス)とその後のステロイド漸減投与、再発予防には免疫抑制薬(メトトレキセート等)・インターフェロンβを使用(2011年7月時点では慢性進行型に有効な治療は無い)。

外リンパ瘻

(1)
外リンパや脳脊髄液が内耳(正円窓・卵円窓)- 中耳間の病的交通を介して漏出する状態で結果として種々の程度の難聴・めまいを発症する。
(2)
原因としては先天性(特発性)・外傷性(側頭骨骨折・耳かきの直達外力、くしゃみや重い荷物運びや鼻かみ・飛行中や潜水での圧外傷)がある。
(3)
感音難聴は突発的で急激な圧変化でポップ音と共に発生する事が特徴とされているが、徐々に起こるもの変動するもの等様々な経過である。
(4)
耳かき等、圧外傷性はめまいが顕著である。
(5)
治療は経外耳道の直達外力(耳かき)で鼓膜・中耳損傷時には早急にリンパ瘻閉鎖手術へ、それ以外は原則保存的治療(ステロイド剤・B12/ATP製剤投与、30~45度頭部拳上位での2~3日間の臥床安静)を施行する。

糖尿病性神経障害

(1)
糖尿病特有の細小血管障害・代謝障害に起因する末梢神経障害で多発神経障害と単神経障害(顔面神経麻痺・外眼筋麻痺)、感覚運動神経障害と自律神経障害がある。
(2)
糖尿病合併症の中で再頻度(30~40%)で多発神経障害は左右対称・下肢(足底部~爪先)から発症する(最終的には手袋靴下型)。
(3)
神経障害(感覚鈍麻)よる足病変の発生や無痛性心筋虚血・無自覚性低血糖に注意する。(無自覚のいわゆる陰性症状である)。
(4)
神経障害の発症・進展予防で重要なのはできる限り早期からの厳重な血糖管理、他の有意な危険因子管理(脂質・高血圧症・喫煙・肥満)である。
(5)
治療薬としては発症機序関連薬(アルドース還元酵素阻害薬エパルレスタット)や対症療法薬(末梢性神経障害性疼痛対処プレガバリン等)がある。

ギランバレー症候群

(1)
四肢筋力低下が亜急性に起こる運動神経障害有意の炎症性末梢神経障害である。(四肢遠位部のしびれ自覚の感覚神経障害も有る)。
(2)
構音・嚥下障害・呼吸障害・自律神経障害(高血圧・頻脈・体温上昇等)も起こす事があり、最大の死因は自律神経障害による心調律障害である。
(3)
多くは四肢末梢遠位筋から左右対称・特に下肢から筋力低下が発症し近位筋へ上行してくる。1~2週間をピークとしその後は数週間で徐々に回復する再発無しの一相性の経過である(ただし10~20%の後遺症患者や急性期死亡例もある)。
(4)
原因不明でが自己免疫性の機序が想定されている(上気道炎・胃腸炎発生の1~3週間後の発症が多い。食中毒起炎菌のカンピロバクター感染説も有力)。
(5)
治療は急性期は全身管理・血漿交換やガンマグロブリン大量療法、慢性期は後遺症管理である。

手根管症候群

(1)
手根管(手首の手の平側の手根骨と屈筋支帯(横手根靭帯)で構成される空間)内で、正中神経が屈筋支帯で絞扼されて生じる、最頻度の絞扼性末梢神経障害。
(2)
40~60歳の女性に多く、手根管容積の増大をきたす仕事状況(手首の反復運動を伴う作業・パソコンや電気ノコ等)・病態~身体状況(妊娠・糖尿病・透析患者・関節リウマチ・甲状腺機能異常・滑膜炎)が関連する。
(3)
正中神経領域(手のひらで親指~薬指の範囲)の感覚障害(痺れ・痛み・ピリピリ感)で夜間間欠的に発症し、進行すると感覚障害は持続性となり、運動障害(母指内在筋・人差指(示指)虫様筋の委縮~筋力低下で開栓やペン保持が困難)をきたす正中神経麻痺(猿手)である。
(4)
手首(手掌)基部の叩打(Tinel徴候)や、手首の強い屈曲保持(Phallen徴候)での異常感覚の誘発が診断補助となる。
(5)
治療は、手首の安静(作業禁止・サポーターやスプリント(固定具)使用、早期に夜間使用が効果的)・内服剤(鎮痛剤・ビタミンB6/B12・ステロイド・利尿剤)・ステロイド局所注射等、保存的治療で開始し、無効~再発例には手術(直視下・内視鏡下手根管解放術)を行う。

肘部管症候群

(1)
上肢では手根管症候群に次いで2番目に多い絞扼性神経障害。
(2)
男性に多く(女性の3倍)、多くは原因不明で、明らかなのもとしては外傷・関節リウマチ・尺骨神経溝からの神経の亜脱臼・糖尿病・アルコール依存症がある。
(3)
尺骨神経領域(手の背側有意に小指および薬指の尺側半分)の感覚障害(痺れ・違和感~知覚過敏)で発症・手の反復使用(ピアノ・ギター演奏やパソコン操作、鉛筆保持、ドアノブ操作等)で顕著となり、時間経過と共に運動障害(小指球筋・骨間筋の筋力低下~萎縮)をきたす尺骨神経麻痺(鷲手)である。
(4)
絞扼部位(肘)の叩打(Tinel徴候)や、両手の母指・人差指(示指)間での新聞紙等の把持テストで患側手の母指指節間の屈曲(Froment徴候)が診断補助となる。
(5)
治療は、まずは保存的治療(肘の屈曲をなるべく避ける、エルボーパットやスプリント使用等)で、改善が無ければ(特に持続性異常感覚や筋委縮時には)手術を選択する。

橈骨神経麻痺

(1)
上腕骨の後方の橈骨神経溝を通過する部位で生じる、絞扼性神経障害。
(2)
手首・手指の伸展障害を生じて下垂手(垂れ手)状態となる。感覚障害は前腕背側や手背部で認めれる。
(3)
週末飲酒後の肘掛け椅子での睡眠後発症(Saturday night palsy)は有名である。
(4)
予防接種(インフルエンザ等の皮下注射)時の上腕部接種時には同麻痺に注意する(だいたいは上腕外側中央部を走行するので、上腕部注射時には上腕後側(伸側)下1/3が推奨されている。なお他の注射部位としては三角部(肩部)外側が勧められる)。
(5)
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閉塞性動脈硬化症(ASO)

(1)
下肢動脈(心臓の拍動で全身に酸素・栄養を供給する「道路」)の硬化性変化(内膜への脂質等のごみの蓄積・中膜の肥厚性変化)が進行して血流障害をきたした状態を呼ぶ。
(2)
症状は、重症度で4段階に分類できる(フォンテイン分類)。
無症状(I度) → 間欠性跛行(II度) → 安静時疼痛(III度) → 潰瘍・壊疽(IV度)
(3)
診断には、視診(下肢の拳上・下垂試験で色調を確認・患肢は蒼白気味)・触診(下肢動脈の動脈拍動の確認)が基本。検査はABI検査(足/腕の血圧比・0.9未満は病的)・サーモグラフィー(皮膚温度測定)・血管造影検査(狭閉塞病変の正確な部位・程度確認)がある。
(4)
治療は重症度に応じて対処する。(5)の日常生活の注意に加えて、運動療法(歩く事で無理はしない事・連続可能距離の8割で・30分/日が毎日が目安)・薬物療法(抗血栓薬・血管拡張薬等・内服や点滴有り)・血管内治療(経皮的血行再建術とも呼ばれバルーン法・ステント法)・外科治療(バイパス術)がある。
(5)
日常生活の注意は、禁煙・運動・ストレス解消・食事(減塩・腹八分が基本)・足のケア(清潔・ケガ・保温・適正な靴の選択)がある。

深部静脈血栓症(DVT)

(1)
下肢深部静脈の血栓性閉塞病態で、患肢の腫脹(浮腫)・疼痛・発赤・表在静脈の怒張・チアノーゼで発症する。多くは無症状の事が多い。
(2)
静脈血栓の成因としてはVirchow triadが重要(血流停滞・血管壁の病的変化・血液凝固能亢進)。
(3)
長期臥床・高齢・悪性疾患・下肢手術後・下肢麻痺状況・静脈血栓既往・重喫煙歴(25本/日以上)等の対象者が多い。
(4)
肺血栓塞栓症の急性の呼吸不全(~分単位での)を発症する事が有り、留意する。緊急時には専門施設(総合病院)へ担送へ。
(5)
予防が重要で、
1)理学的予防(早期離床・積極的運動・弾性ストッキンング・間欠的空気圧迫法)
2)薬物療法(抗凝固ワーファリン等)を行う。

レイノー病

(1)
手足の指に見られる一過性の皮膚細動脈収縮反応の病的亢進状態(機序は血管運動神経の異常緊張で病態は不明)。
(2)
虚血症状をきたして、皮膚の感覚異常(知覚過敏・知覚鈍麻)・皮膚の色調変化を生じる(レイノー現象と呼ぶ)。
(3)
皮膚の色調変化は可逆的で、3段階変化をきたす。
蒼白(細動脈収縮) → チアノーゼ(暗紫色・細静脈鬱滞) → 紅潮(細動脈の弛緩・拡張や静脈叢の充血経過の虚血後の反応性充血)
(4)
レイノー現象の内で基礎疾患無しを一次性レイノー現象(レイノー病)、基礎疾患有り(膠原病等)を二次性レイノー現象(レイノー症候群)と呼ぶ。
(5)
基本的には誘因(寒冷刺激・振動工具作業・精神的ストレス・カフェインやニコチン摂取等)を避ける事、患部の清潔・保護・保温・外傷注意、要時に薬物使用(カルシウム拮抗薬・各種血管拡張薬・抗血小板剤等)を検討する。

急性散在性脳脊髄炎(ADEM)

(1)
中枢神経(脳・脊髄)に急性に炎症病変が多発する病態。
(2)
画像・病理所見は多発性の白質部脱髄病変であり、多発性硬化症(MS)と同じである。
(3)
臨床経過はMSと違い、時間的多発性(再発寛解)は無く、一相(単相)性で原則再発しない。
(4)
自己免疫性の機序が考えられている(各種ワクチン接種後あるいはウィルス感染後数日~4週間以内に発症を認める。原因不明の本態性も多い)。このため、急性期治療は副腎皮質ステロイド薬投与や血漿交換療法である。
(5)
急性期症状は意識障害・痙攣・髄膜刺激症状(頭痛・発熱・嘔吐・項部硬直)・局所症状(麻痺等)を認める。多くの場合、軽度後遺症は残すが改善する。

神経障害性疼痛

(1)
神経の損傷あるいはそれに伴う機能異常によって起こる疼痛
(なお、疼痛とは病気・外傷が通常治ると予想される期間や強さを超えて継続する痛み)
(2)
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)の反応性・効果は低い。
(3)
末梢神経障害(末梢性)と中枢神経障害(中枢性)に2分される。
(4)
治療に難渋する事が多く、現時点での第一選択薬は抗てんかん剤(プレガバリン等)である。
(5)
一般には中枢性障害ほど疼痛管理が困難である。

複合性局所疼痛症候群(CRPS)

(1)
侵害的な出来事やギプス固定等の運動制限後で主要な神経障害を伴わない(CRPS type1)、または神経損傷後(CRPS type2)に発症する以下の疼痛。
(2)
原因から判断して、過剰な強い持続痛・異痛症(アロディニア:非侵害刺激で感じる異常な痛み)あるいは疼痛過敏現象がある事。
(3)
経過中に疼痛部位(患部)に浮腫・皮膚血流の変化(血管運動障害で熱くなったり冷たくなったりする事)・発汗異常(多くは多汗傾向)・関節を屈曲できない等の運動機能障害があり、他の理由が説明できない。
(4)
治療は早期診断と進行予防を考慮した早期治療が望まれる。
現時点では病態不明も、末梢神経 ― 交感神経 ― 中枢神経(脊髄後角~下降疼痛抑制系)の変化が複雑に関与しているものと想定。このため治療も多岐である(局所軟膏・各種内服剤(抗不安薬・抗てんかん薬・抗うつ薬等)・脊髄刺激電極・神経ブロック・拘縮予防のリハビリの組み合わせ)。
(5)
治療効果には個人差が顕著で、一般には侵襲的治療は治療抵抗性が多い。

むずむず脚症候群(RLS:下肢静止不能~下肢不穏症候群)

(1)
40歳以降の中高年に多く見られる、不快な下肢の異常感覚を中心とした病気である(日本では人口の2~5%の潜在患者が想定されている)。
(2)
異常感覚は静止時(安静臥床・座位)に顕著で、運動で改善、夕方・夜間に増強する。
下腿・大腿内側の虫の這うような・むずむずする・火照る・痛痒い・ピクピクする等と愁訴される。
ごく稀に上半身や上肢にも発生する。
(3)
家族歴・ドパミン作動性薬剤(プラミペキソール商品名:ビ・シフロール)の反応性有・周期性四肢運動(PLM:睡眠中の周期性(数十秒間隔)・反復持続性(数秒間)の不随意運動で足指背屈や膝・股関節屈曲を認める。従来夜間ミオクローヌスと呼名されていた。なお、覚醒時にも起こる事がある。)の確認は診断補助となる。
(4)
原因は、特定できない特発性(一次性)と原因疾患のある二次性がある。
二次性疾患には慢性腎不全(特に透析治療中)・胃切除後・鉄欠乏性貧血・関節リウマチ・多発性神経炎・葉酸欠乏・妊娠・うっ血性心不全・パーキンソン病・糖尿病・一部薬剤関連等が挙げられる。このため基礎疾患の有無の確認は必要である。
(5)
病態はまだ不明だが、脳内伝達物質のドパミンの機能障害(ドパミン作動神経機能低下・中脳黒質での鉄欠乏によるドパミン合成低下等)が想定されている。このため治療は軽症の非薬物・生活療法(原因疾患治療・原因薬中止・鉄分補給・下肢保全・カフェインやアルコールや喫煙の制限)に加えて中等症以上は薬物治療として鉄剤・ドパミン作動性薬剤を使用する(他は抗てんかん薬等も)。

注)重症度スケール(IRLS)が有り、これで程度の判断をします。

軽度認知障害(MCI)

(1)
多くの場合には認知症の前段階と考えられ、「日常生活には支障が無いが年齢を超えた重い物忘れ」状態。
(全てのMCIが認知症へ移行するわけでは無い。)
(2)
一般には以下の状況である。
1)本人や家族は物忘れを強く感じている
2)加齢以上の記憶障害を認めている
3)日常生活は自立
4)全般的な認知機能(失語・失行・失認・実行機能障害)は問題無し
5)社会生活や仕事(職業遂行)に 支障が無い
(3)
アルツハイマー型認知症の場合は、病気の発生(アミロイド蓄積)から10年以上経過してMCIへ到達すると言われている。
(4)
MCI状態から4~5年で認知症を発症(約半数で・年10%前後が移行)する。
(5)
MCI時点で認知症の警戒モードとして生活習慣の点検・改善を意識する事が重要(認知症治療薬の開始検討は医師と相談を)。

正常圧水頭症

(1)
脳脊髄液の過剰貯留(正常髄液圧に維持も通過障害や吸収障害)に起因する病気。
(2)
歩行障害 → 精神機能障害 → 尿失禁(病態は無関心や無抑制膀胱を想定)の順・頻度で発症する(以上の3徴候が揃うのは約1/4程度)。
(3)
歩行障害は、不安定・歩幅が狭小(short step)・開脚(wide base)・すり足(shuffling gait)・すくみ足(frozen gait) → 進行すれば立位のままで歩行開始困難 → 立位保持困難 → 起立・起床困難になる。
前頭葉病変(機能障害―失行・失調)に起因すると考えられる。
(4)
精神機能障害は一般的な認知症状と違って、記憶障害は軽微・非言語性機能低下主体で自発性低下・思考行動面の緩慢(反応速度低下)・無欲~興味低下が特徴。無為性と呼ぶ。
(5)
治療は脳神経外科施設で確定診断を行い、手術(過剰髄液対処のシャント手術)を行う。

ウェルニッケ脳症

(1)
ビタミンB1欠乏によって急性に発症する意識障害・外眼筋麻痺(複視)・運動失調(不安定歩行)を呼ぶ。
(2)
ビタミンB1欠乏は偏食・妊娠・慢性アルコール中毒で起こりうる。
特に慢性アルコール中毒で低栄養状態にブドウ糖含有点滴施行では欠乏に拍車がかかり起こりやすい。
(3)
間脳(乳頭体)・中脳(中脳水道周囲灰白質)に病変を生じる。
(4)
治療は、ビタミンB1の補充(静脈注射で・適正投与量は確定していないが100㎎前後から開始し少量(20㎎)前後で継続も一法)。
(5)
脳症からの回復期に意識障害・記銘障害・見当識障害が遷延する場合には、(ウェルニッケ・)コルサコフ症候群を考える。

コルサコフ症候群

(1)
大脳辺縁系(海馬回・乳頭体・脳弓・視床前核~内背核)の障害で起こる。
(2)
記憶障害(最近の出来事中心:近時記憶)・失見当識・作話(健忘の代償?)を特徴とする病態。
(3)
原因には、前交通動脈瘤術後後遺症・頭部外傷・腫瘍・中毒(慢性アルコール中毒等)・代謝障害(ビタミンB1欠乏等)・感染がある。
(4)
ビタミンB1欠乏症関連の発症をウェルニッケ・コルサコフ症候群と呼ぶ。
(5)
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せん妄

(1)
幻覚(幻視中心)・意識障害(軽度・混濁~錯乱~傾眠程度)・運動不穏(寡動・非活動性も有り)を3徴とする病態。
本人にとっては「悪夢」状態。
(2)
精神活動性の点では、一般には「活動性」であるが、「非活動性」もある。
(3)
せん妄の原因としては、薬物(抗不安薬・抗うつ薬・抗コリン薬等)・感染症(尿路・肺炎等)・脱水症・代謝障害(肝腎障害等)・脳血流低下・環境変化・精神的緊張状況がある。特に高齢者・認知症患者では心身の脆弱性が有り、発症しやすい。
(4)
急性・突発発症で変動(日内ないし日間)を認める。また、睡眠覚醒リズムの障害(不眠・昼夜逆転)をきたしやすい。
(5)
治療は、原因対処を第一とする。薬物(抗精神病薬等)使用は功罪があるので、充分に担当医と相談する。

仮性認知症

(1)
うつ状態時に物忘れや思考力低下を強く訴える状況。
(身体的愁訴の場合は仮面うつ病と呼名している)
(2)
認知症検査(言語性検査等)では、実際にはそれほど悪く無い事が多い。
認知症患者が考え無精や取り繕い言動(言い訳や作話、易怒態度)が多いのに対して、当患者は検査に対して真摯な態度である事が多い。なお最終返答は「わからない」が多い。
(3)
経過は数週間~数か月の事が多い(認知症は永続で年経過)。
(4)
抑うつ症状(気力なし・楽しめない・気分沈降等)の持続が根底にある(認知症は多彩・表面的・動揺性の感情状況)。
(5)
鑑別難しい事も有り、精神科専門医に相談を。

脳血管性認知症

(1)
認知症(正常発育した知能が後天的原因により持続的に低下し、日常生活に支障をきたした状態)に関連した脳血管障害が病歴・画像検査で確認される。
(2)
経過は、階段状悪化や変動(急性・再発増悪時)・進行停止(慢性期)を混在
(3)
神経症候(運動麻痺・感覚障害・麻痺性構音嚥下障害等)を随伴する。
(4)
治療中核は脳卒中の二次予防管理(再発予防・高血圧症や糖尿病等危険因子となる基礎疾患管理を含めて)である。他はリハビリ・随伴症状対処。
(5)
思考の遅延・停滞や硬直化が起こりやすい。

アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)

(1)
最頻度(脳血管性との混合型を含めて60%程度)の認知症である。
(2)
アミロイドβ(ベータ)の脳沈着を起点として始まる進行性の認知機能障害(記憶障害を中心に失行・失認・失語・実行機能障害)をきたす。記憶障害は記銘~即時記憶・近時記憶から遠隔記憶・知識(意味・手続き記憶や生活の知恵)・技能へ時間的(新→旧)・空間的(内容)に拡大する。
(3)
CT/MRI画像検査は早期(初期・軽度)では除外診断的意味(他の病気が画像的にない)しか無い。経過追跡では、萎縮進行(海馬近辺の側頭葉内側部~頭頂葉皮質)を確認できる。
(4)
脳循環代謝検査(SPECT/PET)では、側頭葉・頭頂葉・帯状回後部の低下所見を認める(CT/MRIより早期診断に有用)。
(5)
2011年7月時点では、根本治療薬は無い(症状進行予防の対処薬のみである)。

レビー小体型認知症(DLB)

(1)
パーキンソン病同様のレビー小体(神経細胞質内の封入体)が大脳皮質細胞にも顕著に出現して起こる認知症。
(2)
アルツハイマー型認知症に次いで多い(10~20%)。
(3)
初期には記憶障害は目立たず、幻覚(具現性のある幻視 > 幻聴・幻臭・体性幻覚)・妄想(系統的)・抑うつ状態・睡眠異常(レム睡眠行動障害RBD)・パーキンソン症状(特発性で全身的・動作~姿勢性振戦も有り)・意識(覚醒)注意認知の変動(動揺性)が特徴的。
(4)
薬剤過敏性(特に抗精神病薬・抗不安薬・睡眠薬に対し、具合が悪くなる。)が有るので、通常開始量の1/4~1/2量程度から検討する。
治療薬は担当医に相談を(一般にはアリセプト・抑肝散・塩酸アマンタジン以外のパーキンソン治療薬等使用)。
(5)
自律神経障害が顕著で、便秘・起立性失神等、他に突然死(心肺機能障害想定)がある。

前頭側頭葉変性症

(1)
一側の前頭葉・側頭葉の葉性萎縮を認める、初老期発症の進行性認知症疾患(アルツハイマー型認知症の1/5~1/10程度の頻度)。
(2)
組織所見は、神経細胞内封入体(嗜銀性でピック小体と名称)を内包する腫大した神経細胞(ピック細胞)の存在や、星膠細胞の顕著な増殖を認める。 → 発生機序にタウ蛋白の変性機序(tauopathy)が想定されている。
(3)
記銘障害は遅れて発生、早期は人格変化・情動異常から発症する。
(4)
被影響性亢進(反響・模倣行為、なぞり行為等)・「我が道を行く」行動(反社会的・脱抑制的・考え無精・立ち去り行動等)・常同行動(反響言語・反響書字・反響行為・滞続言語・オルゴール時計症状(同じ語りをする状況)・滞続笑い・時刻表的行動・周遊(周徊:定番コースの散歩で迷わない。)・自発性低下や感情鈍麻が特徴。
(5)
2011年7月時点ではケアの対象であり、根本治療は無い。

ニコチン依存症を判定するテスト(TDS)

(1)
ニコチン依存症かどうかを判定するテスト
(2)
10の質問に対して「はい(1点)」「いいえ(0点)」で返答する。どちらでもない場合は0点とする。
合計点5点以上はニコチン依存症と判断する。
(3)
実際
1)自分が吸うつもりより多くたばこを吸う事があるか?
2)禁煙や減煙をしてできなかったか?
3)禁煙・減煙施行時にタバコが欲しかったか?
4)禁煙・減煙施行時に次の事があったか?
  イライラ、神経質、落ち着かない、集中しにくい、憂鬱
  頭痛、眠気、胃のむかつき、徐脈、手の震え、食欲体重増加
5)上記 4)のためタバコを再度吸ったか?
6)病気時にタバコを吸ったか?
7)タバコが自分の健康に有害と解っても吸ったか?
8)タバコで自分に精神的問題(喫煙する事で神経質・不安・抑うつになる事、離脱症状では無い)が起きていると解っても吸ったか?
9)自分はタバコ依存と感じるか?
10)タバコを吸えない仕事や付き合いを避けたか?
(4)
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(5)
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高血圧症

(1)
心臓が送り出す血液が血管に加える力(圧力)を血圧と呼ぶが、この血圧が正常より高い状態を「高血圧」と呼び、これで起こる病気を「高血圧症」と呼ぶ。
(2)
血圧には心臓の動きとの関係で収縮期血圧(上の血圧)と拡張期血圧(下の血圧)がある。収縮期血圧は心臓収縮時の大動脈内圧で最高血圧値を示す。拡張期血圧は心臓拡張時の弛緩した動脈内圧で最低血圧値を示す。
(3)
高血圧の定義(日本高血圧学会)
収縮期血圧140mmHg以上または拡張期90mmHg以上が高血圧
なお、病院・診療所では140/90以上、家庭では135/85以上が目安
(4)
高血圧は全身の動脈硬化を招き、脳卒中(脳梗塞・脳出血)・心臓病(心肥大・虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞))・腎臓疾患(腎硬化症→腎不全)・動脈硬化疾患(解離性大動脈瘤・閉塞性動脈硬化症)等も病気・障害(高血圧症)を起こす。
(5)
日本人の多くは、もともとの遺伝的素因がある人に過剰塩分摂取・肥満・運動不足・ストレス飲酒・喫煙等の環境因子が影響して発生する。
治療は生活習慣の改善(非薬物療法)と必要時に薬物療法を(担当医に相談を)行う。

脂質異常症

(1)
血液中の特定の脂質値が基準値より高い・低い異常な状態。
自覚症状は無いが心臓病・脳血管障害等を招く。
(2)
血液中の脂質にはコレステロール・リン脂質・中性脂肪(TG:トリグリセリド)・遊離脂肪酸等があるが、「LDLコレステロール」・「HDLコレステロール」・「中性脂肪(トリグリセリド)」に留意する。
(3)
「LDLコレステロール」は「悪玉」と呼ばれ、肝臓で作られたコレステロールを細胞へ運ぶが、過剰だと血管へ付着する(動脈硬化進行)。
「HDLコレステロール」は「善玉」と呼ばれ、余分なコレステロールを肝臓へ戻す(血管からの回収で動脈硬化進行抑制)。
「中性脂肪」は食物(糖質・脂質)から肝臓で合成・皮下~内臓でエネルギー源として貯蔵するが、過剰では「悪玉」増加・「善玉」減少等の環境悪化に関わる。
(4)
脂質異常症の診断基準(空腹時採血・日本動脈硬化学会の動脈硬化性疾患予防ガイドライン2007年版)
1)高LDLコレステロール血症 140mg/dl以上 一番重要視
2)低HDLコレステロール血症 40mg/dl未満
3)高トリグリセリド血症    150mg/dl以上
(5)
治療は、生活習慣の改善から(腹八分・糖質控えめに・節酒~休肝日を・運動・食物繊維や抗酸化物質をしっかりと)、必要時には薬物治療を。

糖尿病

(1)
インスリン作用不足により高血糖状態が持続する代謝疾患。
(2)
インスリン作用不足は、
1)インスリン分泌低下と、
2)標的組織における作用障害(インスリン抵抗性) に2分される。
(3)
遺伝因子と環境因子(生活習慣)が関与する。
(4)
成因でI型糖尿病(膵臓β細胞の破壊でインスリンの絶対的欠乏:機序で自己免疫性・特発性に亜分類)・II型糖尿病(インスリンの相対的作用不足)・その他(妊娠糖尿病等)に分類される。
(5)
食事・運動療法が基本で、各病態の応じて薬剤を使用する(I型糖尿病はインスリン製剤が基本薬)。

メタボリック症候群(メタボリックシンドローム)

(1)
高血圧・高脂血症(脂質異常症)・糖尿病は、個々のリスクの異常の程度が軽度でも、重複すると動脈硬化が進展・促進し、危険性が増す。
肥満が重複する原因(源流)である事が解り、この一連の病気の流れを「メタボリックシンドローム」と呼ぶ。
(2)
肥満には内臓脂肪型と皮下脂肪型があるが、関係するのは内臓脂肪型肥満である。外見的には判断しにくい事がある。
脂肪細胞は様々な生理活性物質(アディポサイトカイン)を分泌し、内臓脂肪の蓄積はこの分泌変化を起こしリスクの悪化をもたらす。
(3)
内臓脂肪の蓄積の判断に、簡易的にウエスト周囲径を測定する。
1)測定の実際
立位・軽度呼気終末時に・「へそ」の位置でウエスト周囲径を測定
なお、へそが見えない~下垂変位時の場合には、肋骨下縁 - 腸骨上縁(骨盤の構成骨・上前腸骨棘)の中間で測定する。
2)肥満基準(CT計測での内臓脂肪面積100cm2以上に相当)
  男性 85㎝以上
  女性 90㎝以上
(4)
肥満(必須項目)に脂質・血糖・血圧の3リスクの内で、2リスク以上を該当とする。
1)脂質
  (TG150mg/dl以上、かつ~またはHDLコレステロール40mg/dl未満)
2)血圧
  (収縮期血圧130mmHg以上、かつ~または拡張期血圧85mmHg以上)
3)血糖
(空腹時血糖110mg/dl以上)

【注意する事】
平成20年4月から開始された特定健診・特定保健指導では取り扱いの実際や判定基準が多少違う(以下で列記)。
1)ウエスト周囲径測定の省略規定がある。
以下対象者で医師が不要と認めた場合
1 BMI20未満
2 BMI22未満者が自己測定値を自己申告した場合

参考)BMIとは
体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)の数値で25以上は肥満。
 
2)血糖基準が違う(血糖100mg/dl以上,またはHbA1c5.2%以上)。
追記)ちなみに特定健診・特定保健指導対象は40歳から74歳まで。
特定保健指導では対象者選定で以下の事項を考慮する。
1 ウエスト周囲径が基準未満でもBMI25以上なら対象者選定に加える。
2 喫煙歴はリスクとして加える。
3 65歳以上の前期高齢者は積極的支援を行わない。
4 リスク疾患治療者(服薬中)は指導対象にしない。
(5)
治療の基本は、生活習慣の改善(食事・運動・禁煙・飲酒制限等)である。必要時には担当医と相談して薬物治療を行う。

食塩換算(食塩は塩化ナトリウムで有害なのはナトリウムの過剰摂取)

(1)
食塩の摂り過ぎは、血液量の増加・ナトリウムによる交感神経刺激や血管収縮性亢進を主因として血圧を上げる。
(2)
健康人は1日8g以下・高血圧患者は6g未満の摂取を目標とする。
(3)
料理には香辛料や薬味を利用するのも一方である。
(4)
食品の栄養成分表のナトリウム表示に2.54を掛けて食塩換算とする。
  ナトリウム(g)×2.54=食塩相当量(g)
  ナトリウム(mg)×2.54÷1000=食塩相当量(g)
(5)
日本人は食塩摂取が多く、血圧治療では利尿降圧剤(サイアザイド系)が比較的著効する。

適性エネルギー摂取量

(1)
1日の適性な総摂取カロリーも目安は、
  総摂取カロリー = 標準体重 × 生活強度(身体活動レベル) 
  (標準体重は身長(m) × 身長(m) × 22)
(2)
生活強度
1)低い 25~30  デスクワーク中心・事務職
2)普通 30~35  立ち仕事中心・サービス業や製造業
3)高い 35~   肉体労働中心・農林水産土木作業等
(3)
最近の話題(2011年7月時点)では、長寿遺伝子(SIR2遺伝子)発現にエネルギー(カロリー)制限(30%程度・腹7分目)や一部の抗酸化物質(レスベラトロール)が有効とのこと。
ちなみに長寿遺伝子の発現は活性酸素の消去・免疫細胞の暴走抑止・老化防止(ミトコンドリア機能維持)を起こす。抗メタボ硬化も有るとのことで、同遺伝子発言を目的とした薬剤開発も進行中とのこと。
(4)
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(5)
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抗酸化物質

(1)
抗酸化物質は細胞の「サビ」止め作用を有する物質総称。
(2)
代表的物質に、ビタミンC・ビタミンE・βカロテン(以上は野菜・果物で豊富、ただしカリウム含有が多く腎障害の方は担当医と相談を)、フラボノイド(イソフラボン等)・カテキン・ポリフェノール、他にビタミンB6/B12が有る。
果物は果糖を含んでおり、中性脂肪・血糖値の高い人は控えめに。
(3)
ビタミンE(野菜・果物)は認知症予防になる報告有り。
(4)
コレステロールの酸化予防(動脈硬化予防)になる。
(5)
最近、ブドウの皮・赤ワインに含有のポリフェノール成分レスベラトロールが長寿遺伝子(SIR2遺伝子)発現を介して、抗老化・抗メタボ効果が期待されている。(動物実験では確認)

有酸素運動

(1)
酸素をとりながらじっくりと行う運動
  (例:ウォーキング・水泳・サイクリング・ダンス・エアロビクス)
反対語に無酸素運動が有り。
  (例:短距離走・競泳・重量挙げ)
(2)
心肺機能向上・末梢循環や代謝改善・リスク(糖・脂質・血圧)改善効果が有る。
(3)
バランスの良い運動構成として「ウォーキング」「ストレッチ」「軽度負荷の筋トレ」も一案(自転車エルゴメーターも一方)。
(4)
ウォーキングは、週3日以上・10分以上継続の合計で1日30分以上・強度としては呼吸が苦しく無い・軽く汗ばむ程度で。
目標心拍数(脈拍数) = 最大脈拍数(220 - 年齢) × 50~70%
一般的には60歳未満120、60歳以上100程度が目安。
理想は1日1万歩(300kcal相当)で心血管病予防効果が報告有り。
(5)
認知症予防に効果的との話有り。

適量アルコール

(1)
適量アルコール摂取は、ストレス解消・社会や人間関係の潤滑油効果等の利点がある。過量では自制心が緩み食欲増進をきたし、カロリーの過剰摂取になる。
(2)
肝臓への負担にもなるので、中性脂肪値・肝機能値(γ-GTP)が高い人は特に注意を。また、高尿酸血症の誘因・増悪因子なので注意を。
(3)
1日の推奨量はアルコール量で25g程度に・週1~2日は休肝日を設定へ。
日本酒1合またはビール中瓶1本またはウィスキーシングル2杯・ダブル1杯、または焼酎半合等
(4)
アルコール自体も高カロリー物質(9kcal/ml)である。カロリー過剰に注意を。
(5)
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家庭血圧

(1)
血圧は日内変動(20mmHg前後)が有り、一般的には早朝~午前中に高く午後~夜間低くなる。
(2)
病気の場合(睡眠時無呼吸症候群・重症高血圧症等)には日内変動が乱れる(夜間も下がらずに高いままのnon-dipper型や早朝異常上昇の早朝高血圧(morning-surge)等)。
(3)
病院や診療所では家庭より血圧は高めになる。
(顕著なのが白衣高血圧症)
(4)
家庭血圧測定は早朝高血圧の確認、治療効果含めて治療の動機付けや自覚の強化等に有用。
(5)
1日1~2回(起床後1時間以内・就寝前に)・排尿後に・1~2分間安静座位下に、上腕測定(肘部)機器で(心臓高で)。

標準体重(理想体重)

(1)
BMI(Body Mass Index:体格指数または肥満係数)を指標とする。
BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)
普通(正常)範囲は18.5~25未満、肥満は25以上
理想値は22で、この時が一番生活習慣病が少ない。
(2)
標準体重(理想体重)は、
= 身長(m) × 身長(m) × 22
(3)
小児(15歳未満)は、性・年齢・身長別標準体重を用いる。
(実測体重 - 標準体重) ÷ 標準体重が20%以上なら肥満
50%以上は高度肥満
(4)
肥満からの減量はリスク軽減~随伴する病気の治療・予防になる。
体重1kg減量(7,000kcalエネルギー減)は成人の場合、ウエスト周囲径1㎝減効果に相当する。結果、血圧値は約2mmHg下がる。
(5)
内臓脂肪型肥満の治療は、まず現体重5%減/3か月を目安に開始する。
基本は食事・運動・行動療法(自己主体・過食刺激回避・自己管理等で動機付けを徹底)で必要時に薬物・外科治療(対象はBMI35以上)がある。
なお午後9時以降は肥満しやすいので、飲食は控えるように勧奨されている。

メニエール病

(1)
内耳の「心身症」で環境の乱れ(仕事・私生活での生活習慣含めて)と行動特性(性格:自己抑制強い~几帳面)で構成されるストレス状況が原因である。
(2)
病態は内リンパ水腫で20~60歳代・女性に多い。発症の契機は多忙・睡眠不足・職場や家庭でのストレス。病因には抗利尿ホルモン(ADH)による内耳の水代謝異常説が有力(2011年8月現在)。
(3)
メニエール病の診断基準(厚生省特定疾患調査研究班、1976)
1)回転性めまいの反復(数十分~2時間持続)
2)耳鳴・難聴等の蝸牛(耳)症状が反復、消長
3)他の疾患の除外ができている事
以上、3項目該当が確実例で2項目該当は疑い例とする。
初期にはめまいを伴わないものがある(急性低音障害型感音難聴)。
(4)
難聴は低中音(可逆的)から始まり発作を繰り返す内に高音障害へ拡大、罹病期間長期化で全音域障害に進展。
このため罹病期間10年以上では半数以上は難聴を愁訴する。このため発症初期(特に1年以内の)での再発予防治療(再発させない)が重要である。
(5)
治療
発作期は安静 + 薬物、非発作期は生活習慣の改善(心身医学的生活指導:運動施行・睡眠確保・趣味の実践等)が重要である。
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